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ロックの部屋

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Ocean Colour Scene

オーシャン・カラー・シーン『MARCHIN’ ALREADY』

《乗せ上手の、落とし上手》
オーシャン・カラー・シーンのどのアルバムにも、これはあってロツクの楽しさ面白さ格好良さが実感出来てしまいます。サード・アルバムの『MARCHIN’ ALREADY』も顕著に表れているのです。

乗せ上手の代表曲1曲目の「HUNDRED MILE HIGH CITY」キーン・キーン・ガ・ガ・ガ・ガ・ガ、ギターのカッティングうねりが気持ちいいこと。

ところが2曲目の「BETTER DAY」になると、ビートルズ風のピアノのイントロに続いて切ない青春バラード、参るなぁ。落とされます。

3曲目で再び小気味のいいリズムセクションにヴォーカルが乗っかってくる、女性コーラスの絡みもあったりで……

そして6曲目の「BESIDES YOURSELF」の甘いアコースティック・サウンドといったら……

《BESIDES YOURSELF》
♪君を行かせる前に
 このショーから君をひっこめる前に
 君に手を振る前に
 君に言いたいのさ
 君が孤独じゃありませんようにとね

僕の言葉を覚えてくれていたら
 きっとわかる 今度限りで
 僕は立ち去るよ
 自立できるまで君は
 偽りの日々を送るのさ♪

別れの曲なんですが、暖かいメロディーと相まって悲しくはなりません。ほっとするような気持ちになれる曲です

それから「ALL UP」なんてインストゥルメンタルな曲が10曲目にあります。ピアノとギターの掛け合いが見事。
オリジナル盤ではラストナンバーになる曲「IT’S A BEAUTIFUL THING」。去っていってしまった友人(恋人)に対する賛歌でありながら、自分がそうなれないなりきれない弱さが歌われている。これもピアノとコーラスが美しいミディアム・バラード。

日本盤にはボーナス・トラックとしてビートルズカバーのライブ収録もあります。曲は「デイ・トリッパー」これがギターぎんぎんのハードロックになっていてカッコイイこと。

オーシャン・カラー・シーン、グループ名も素敵ですが、意外とやっているロックは古典派ではなくロマン派です。その辺のバランス感覚が素晴らしい。《乗せ上手の、落とし上手》という事で。


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